Kaede Akino

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北半球に広く分布する。分布域が広いタイリクオオカミは多くの亜種に細分化される。現存の亜種は33(絶滅含め39亜種)に分類されてきたが、近年の研究で現存13亜種、絶滅2亜種への統合が提案されている。

Canis lupus albus(ツンドラオオカミ、シベリアオオカミ)ユーラシア北端部に分布。
Canis lupus arabs(アラビアオオカミ)アラビア半島に分布。非常に減少。
Canis lupus arctos(ホッキョクオオカミ)グリーンランド北部と東部、クイーンエリザベス諸島、バンクス島、ビクトリア島に分布。
Canis lupus baileyi(メキシコオオカミ)かつてアメリカ南西部からメキシコ北西部にかけて分布していた。1970年代に一度野生絶滅したが、現在アメリアリゾナ州ニューメキシコ州に再導入されている。
Canis lupus cubanensis(カスピオオカミ)コーカサス山脈、トルコとイランの一部に分布。
Canis lupus familiaris(イエイヌ)イエイヌは1万5千年以上前にタイリクオオカミを飼い慣らした動物であるという説が有力。
†Canis lupus hattai(エゾオオカミ樺太、北海道に本来分布。絶滅。
†Canis lupus hodophilax(ニホンオオカミ樺太・北海道を除く日本列島に本来分布。絶滅。
Canis lupus italicus(イタリアオオカミ)イタリアからアルプス南部に分布。
Canis lupus lupus(ヨーロッパオオカミ、チョウセンオオカミ、シベリアオオカミ)ヨーロッパ東部からロシア、中央アジア、シベリア南部、中国、モンゴル、朝鮮、ヒマラヤ地域に分布。
Canis lupus lycaon(シンリンオオカミ)カナダのオンタリオ州南東部とケベック州南部の小さな範囲に分布。コヨーテとの交雑が心配されている。
Canis lupus nubilus(グレートプレーンズオオカミ)アメリカの五大湖西岸、アラスカ南東部、カナダ東部、バフィン島に分布する。
Canis lupus occidentalis(シンリンオオカミ、アラスカオオカミ)カナダ北西部、アメリカ北西部のモンタナ州アイダホ州ワイオミング州に分布。分布を拡大している。
Canis lupus pallipes(インドオオカミ)インドから中東アジアにかけて分布。

大きさは亜種、地域によって異なる。体胴長100 - 160cm、肩までの体高60 - 90cm、体重は25 - 50kg。大きい個体では50kgを超えるものもいるが、雄が54キロを超えるのは稀である。一般に雌は雄の体重より10 - 20パーセント程度小さい。現生のイヌ科のなかで最大。高緯度ほど大きくなる傾向がある(ベルクマンの法則)。記録上では1938年アラスカで捕獲された体重79.3kgの雄、ユーラシア大陸ではウクライナで殺された 86キロのものが最大としている。体色は灰褐色が多く、個体により白から黒まである。子供の時期は体色が濃い。北極圏に住む亜種はより白い。体毛は二層に分かれ保温や防水に優れ、夏毛と冬毛がある。又、姿勢においては頭部の位置がイヌに比べて低く、頭部から背中にかけては地面に対して水平である。

歯式は3/3·1/1·4/4·2/3 = 42で、上顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および4本の大臼歯があり、下顎には6本の門歯、2本の犬歯、8本の小臼歯、および6本の大臼歯を持ち、何れもイヌより大きく丈夫である。頭から鼻にかけての頭骨のラインはイヌより滑らかで、イヌよりも顎の筋肉量が多く、頬骨の位置が高いため、イヌと比較して吊り目になっている。又、尾の付け根上部にスミレ腺を持つ。

オオカミは雌雄のペアを中心とした平均4 ~ 8頭ほどの社会的な群れ(パック)を形成する。群れはそれぞれ縄張りをもち、広さは食物量に影響され100 ~ 1000平方キロメートルに及ぶ。

群れと順位
群れは雌雄別の順位制を伴い、通常は繁殖ペアが最上位であるが、順位交代もする。最上位から順にアルファ、ベータと呼び、最下位の個体をオメガと呼ぶ。順位は常に儀式的に確認しあい維持される。群れはたいてい繁殖ペアの子孫や兄弟で血縁関係にあることが多い。他の群れを出た個体が混ざることもある。狼の群れの頭数は最多で42頭にもなったという記録があるものの、平均して概ね3-11頭の間である。しかし、大規模な群れでも主に仕事を行うのはペアであり、最も効率が良いのはペアの狼とされている。単独の狼が成獣のムースを仕留めた記録はあるが、例え怪我で弱っている個体といえど、300-800キロにもなるムースを40キロ程度の狼が仕留める事は極めて危険である。そのため、普通は最低でも2頭の狼を必要とする。

狩り

オオカミは肉食で、シカ・イノシシ・野生のヒツジ・野生のヤギ・バイソンなどの有蹄類、ウサギ・齧歯類などの小動物を狩る。餌が少ないと人間の生活圏で家畜や残飯を食べたりする。シカなどの大きな獲物を狩る時は群れで行動し健康体を狩る場合もあるが、通常は長時間の追跡を行い獲物の群れの弱い個体(病気、高齢、幼体)を捕まえることが多い。
最高速度の時速70キロメートルなら20分間、時速30キロメートル前後なら7時間以上獲物を追い回す事ができる。
捕らえた獲物を先に食べるのは上位の個体である。
オオカミは追いかける途中で諦める事が多く、リカオン などと比べると諦めやすい性格といえる。狩猟成功率はは生息密度や環境に左右される。アラスカデナリ国立公園で1977年 カリブーを仕留めようと追いかけた回数が16回であり、そのうち殺したのが9頭で成功率は56%という報告例がある。1972年オンタリオでは35回獲物に狙いを定めそのうちの16頭の鹿を殺す事に成功している所が観察された。
繁殖

繁殖は一夫一妻型で群れの最上位のペアのみが行うが、例外的に他の個体が繁殖することもある。交尾 は一般に1月~3月頃に行われる。妊娠期間は60 - 63日、平均4 - 6頭の子を産む。雌は巣穴を作りそこで子育てを行う。父親や群れの仲間も子育てを手伝う。
子は目が開くのは12 - 14日で、20 - 24日経って動きまわるようになり、20 - 77日の間で群れを認識する社会性が育ち離乳する。固形食は大人が吐き戻して与える。8週ほどで巣穴を離れるようになる。
子は1年も経てば成体と同じ大きさになるが、性的に成熟するには2年ほどかかる。成熟したオオカミは群れに残るか、群れを出て新たな場所に移り、配偶者を見つけ(この過程で1匹になることを一匹狼という)、新たな群れを形成する。
コミュニケーション

オオカミはボディランゲージ、表情、吠え声などで群れの内外とコミュニケーションを取る。表情やしぐさは群れの順位を確認する際に良く使われる。遠吠えは、群れの仲間との連絡、狩りの前触れ、縄張りの主張などの目的で行われ、それぞれほえ方が異なるといわれる。合唱のように共同で遠吠えすることもある。

寿命
飼育下での平均寿命は15年ほどである。動物園で20年生きた記録がある。野生では、他の動物と同様に幼齢時の死亡率が高いが、成熟個体は5 - 10年ほど生き、時には10年以上生きる個体もいる。

Rena Minami

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インド南東部からベトナムにかけてのアジア大陸、スンダ列島からニューギニア島、及びオーストラリア北部沿岸、東はカロリン諸島辺りまでの広い範囲に分布する。

後述のような海流に乗って移動する生態から、オーストラリア北部には近年になって東南アジアから海伝いに分布を広げたと考えられている。日本では奄美大島西表島八丈島などでも発見例がある。

現生のワニ類および爬虫類の中では最大級の一種であり、平均は全長4メートル、体重450キログラムになる。野性、飼育下とも、巨大な個体は全長6メートル以上になることもある。口吻はやや長く基部の1.75-2倍で、隆起や畝が発達する。下顎の第1歯が上顎の先端を貫通する。後頭鱗板が無い。頸鱗板は4枚。胴体背面に並ぶ大型の鱗(背鱗板)は規則的に並ぶ。体色は緑褐色。

水かきは前肢では指の基部のみに、後肢では趾全体に発達する。

卵は長径約8センチメートル、短径約5センチメートル。

主に汽水域に生息し、入江や三角州のマングローブ林を好む。イリエワニという和名も、これに由来する。地域によっては、河川の上流域や湖、池沼などの淡水域にも生息する。海水への耐性が強く、海流に乗って沖合に出て、島嶼などへ移動することもある。

食性は動物食で魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、甲殻類などを捕食する。ワニの中でも特に攻撃的な性質であり、顎の噛む力は同種中で最大級(2トンあまり)とも言われる。大型個体では空腹時に人間や家畜に襲い掛かり捕食した例もある。効率的な餌場を記憶していることが報告されており、それによると一部のイリエワニは、産卵期に浜辺へ集まるヒラタウミガメやヒメウミガメを狙い、波打ち際で成体を急襲をしかけたり、埋められた卵や孵化した幼体を貪ったりする。

繁殖形態は卵生。主に雨季に繁殖し、木の枝や枯葉などを積み上げた塚状の巣に60-80個(平均61個)の卵を産む。卵は80-90日で孵化する。幼体は小型のため、鳥や大型魚などに捕食されることも多く、成体まで生き残れるのは少数である。

Momoko Togame

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アンゴラケニアジンバブエタンザニアナミビア南アフリカ共和国モザンビークエチオピアでは絶滅したと考えられ、カメルーン、チャド、ルワンダでは絶滅した。エスワティニ、ザンビアボツワナマラウイに再導入。

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、喜望峰

胴長(体長)280 - 290センチメートル。尾長60センチメートル。肩高132 - 180センチメートル。体重350 - 1,300キログラム。雌はこれよりもやや小さい。頭部や胴体は長く、頸部は太い。成獣では耳介や尾の先端を除いて、体毛で被われない。体色は灰色や灰褐色で、生息地の土の色によって異なる。むしろ口の幅が広くwide rhinoceros とされるべきところのサイが誤記されて white rhinoceros、つまりシロサイとされてしまったため、それと対照的なもう一方のアフリカのサイをクロサイとしてしまったと考えられている。

耳介は長く筒状。頭部には2つの角がある。属名Diceros、種小名bicornis ともに「2つの角」の意。前角長42 - 135センチメートル。後角長20 - 50センチメートル。個体によっては、3本目の小さい角がある。 吻端が尖り、上唇がよく動く。これにより木の葉を、口元に大量に引き寄せて食べることができる。門歯がない。

出産直後の幼獣は体重22 - 45キログラム。

藪地に生息するが、山地の森林に生息することもある。ンゴロンゴロの個体群ではオス26,000ヘクタール、メス259 - 4400ヘクタールの行動圏内で生活する。薄明薄暮性で、昼間は木陰などで休む。単独で生活するが、以前は約10頭からなる小規模な群れを形成することもあった。水浴びを好むが、乾季には砂浴びも行う。危険を感じると、突進し威嚇することもある。走行速度は時速50キロメートルに達する。時には母娘で集団をつくっていることもある。

主に低木の葉を食べるが、乾季は草本も食べる。共生関係にある生物としてウシツツキ類が挙げられ、外部寄生虫を食べたり危険を知らせてくれる。アマサギ・テリムクドリ属・オウチュウ類も共生関係になることもある。幼獣の捕食者はブチハイエナやライオンが挙げられ、ライオンは成獣も襲ったり殺した報告例がある。

交尾は季節によらず行われるが、出産は雨季の終わりの乾燥した環境で行われることが多い。妊娠期間は平均465日(419 -476日)もしくは463日(438 - 480日)とする報告例がある。1回に1頭の幼獣を、2 - 3年に1回だけ産む。授乳期間は1年だが、幼獣は母親が次の幼獣を産む前まで一緒に行動する。オスは生後7 - 8年、メスは生後5 - 7年で性成熟する。寿命は40年以上と考えられている。

Sana Futaba

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日本(静岡県・長野県・石川県以北の本州<越後平野の一部を除く>、京都府の山地・広島県現:庄原市の山地・三重県鈴鹿山脈紀伊半島南部・四国<剣山や石鎚山などの山地>・小豆島の一部に隔離分布)固有種

隔離個体群は遺存個体群とされ、コウベモグラに対し山地個体群では土壌が浅く生息好適地でない・あるいは紀伊半島や小豆島では断崖などにより土壌の浅い場所があり侵入が阻止されていると考えられている。

体長12.1 - 15.9センチメートル。尾長1.4 - 2.2センチメートル。体重48 - 127グラム。地域変異が大きく山地個体群は小型で、太平洋岸平地個体群は大型になり体重では約2倍の差異がある。視力は弱く尾はとても短い。毛色は山地個体群は暗褐色、河川下流域の平野部個体群は褐色みが強い。

吻上面の裸出部は長方形。上顎口蓋部の大きさは普通。上顎の切歯の歯列が浅いアルファベットのV字状。上顎の小臼歯は左右に3本ずつ、下顎の小臼歯は左右に2本ずつ。

小型の個体については、コモグラ M. i. minorとして亜種とする説もある。

モグラは繁殖期以外雌の膣口が閉じ、雄も陰嚢を持たないため雌雄の区別がつきにくいが、生殖突起と肛門との距離を測定することで雌雄判別が可能である。

低地の草原・農耕地から山地の森林にかけて生息するが、湿潤で土壌の深い平野部を好む[2]。森林内でも土壌が豊かな所には生息する。地下にトンネルを掘り、そこで生活をする。掘り出された土は地上に出され、モグラ塚を作る。活動と休息を含む1日3回の周期をもつ。

主に昆虫やミミズを食べるが、ジムカデ類、ヒル、植物の種子なども食べる。

トンネルの奥に、広葉樹の落ち葉を集めた径が約40cm、高さが約36cmになるボール状の巣を作り繁殖する。主に春(一部は秋)に1回に2 - 6匹の幼獣を産む。寿命は約3年。

Tsuruno Yui

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アンゴラウガンダエチオピアカメルーン北部、ケニアコンゴ民主共和国北東部、ザンビアジンバブエソマリアタンザニア、チャド南部、中央アフリカ共和国ナミビアニジェールボツワナ南アフリカ共和国南スーダンモザンビーク

マリ共和国では絶滅したと考えられ、エリトリアギニアセネガル、ナイジェリア、モーリタニアでは絶滅。エスワティニ、ルワンダには再導入。

角先端までの高さオス4.7 - 5.3メートル、メス3.9 - 4.5メートル。体重オス800 - 1,930キログラム、メス550 - 1,180キログラム。体色は橙褐色や赤褐色・黒と、淡黄色からなる斑紋が入り、この斑紋は個体変異がある。種小名camelopardalisは、「ヒョウ模様のラクダ」の意。

犬歯は2 - 3又に分かれ、枝から葉だけをしごくのに適している。長さ約45センチメートルに達する舌を持ち、柔軟性のある唇も合わせて木の枝にある棘を避けながら採食を行うことができる。多くの哺乳類と同様に頸椎の数は7個であるが、それぞれが大型かつ長い。頭部と長い頸部は発達した筋肉と靭帯で支えられ、肩が隆起する。第4・第5胸椎の棘突起は発達し、頸部を支える筋肉の付着部になっている。血管には弾力性があり、頭部を下げた際の急な血圧の変化にも対応することができる。頸部の静脈には弁がついており、血液が逆流することを防いでいる。視覚は特に優れているが、嗅覚・聴覚も発達している。

頭部の骨化はオスで顕著で、頭骨の重量がメス(4.5キログラム)の約3倍の15キログラムに達することもある。

アカシア属・カンラン科Commiphora属・シクンシ科Combretum属などが生えた草原、Terminalia属からなる疎林などに生息する。

構成や個体数が変動する繋がりの緩い10 - 20頭程度の群れで生活している。19世紀から20世紀初頭では20 - 30頭の群れの報告例があるが、2000年代以降は群れは平均6頭以下とする報告例もある。セレンゲティ国立公園での800日間にわたる観察では、群れの構成が24時間以上変わらなかったのは2例のみだったとする報告例がある。メスの行動圏は約120平方キロメートルに達し、オスの行動圏はより小さいが、群れに含まれず単独で生活する若獣のオスであればより広域となる。行動圏内で主に活動する範囲は中心部に限られ、外周円状に緩衝地帯があると考えられている。行動圏が他の個体と重複した場合は、それらの個体と群れを形成する。

主に薄明薄暮時に採食を行い、昼間は反芻を行う。通常は直立したまま休息や睡眠を行うが、安全が確保されていれば2 - 3時間にわたり座って休むこともある。前肢と片方の後肢を内側に曲げて地面に座り、眠りが深くなると首は丸めて体に乗せる。1日の睡眠時間は諸説あるが、眠りが深くなった姿勢をとるのは1日に3 - 4分、長くても10分とされる。食物の葉から摂る水分のみで、水を飲まなくても生きていくことができるため、アフリカに住む他の草食動物と異なり、乾季になっても移住をしない。時速50 - 60キロメートルで走ることができる。ほとんど鳴くことはないが、唸り声や鼻を鳴らす声など様々な声を出すことはできる。

食性は植物食で、主にアカシア属・シクンシ科などの木の葉、若芽、小枝などを食べるが、果実や草本を食べることもある。アカシアなどの棘のある食物は舌や唇でよりわけ、口内では粘着性の唾液で覆ったあと溝のある口蓋で押しつぶして飲み込む。オスは頸部を伸ばした姿勢でより高所の、メスは頸部をねじった姿勢で肩の高さくらいにある低所や低木の葉を食べすみわけを行っている。高木の葉はイネ科植物と異なり乾期でもあまり質が低下せず食物の制限があまりないため、乾期になれば水場周辺の木の葉を食べることで大規模な移動もせず周年繁殖することもできる。 食物が新鮮であれば数か月は水を飲まなくても生存することができる。飲水や低木の葉を食べる時、地面に落ちた果実を食べる時はしゃがまずに前肢を大きく左右に広げ、立ったままで水を飲む。これは敵に襲われたときにすぐに逃げることができるためであると考えられる。幼獣の捕食者は主にライオンが挙げられるが、生後3か月以内であればハイエナ類・ヒョウ・リカオンにも捕食される。幼獣が襲われた時には、母親が蹴りで応戦する。この蹴りによって、ライオンを殺すこともある。

オスは背比べにより優劣を決定するが、オス同士が首をぶつけ合い儀式的に争う(ネッキング)ことがあり特に優劣が決まっていない若齢個体のオスで多い。優位のオスは行動圏内を巡回し他のオスには背比べで優位を誇示しつつ、発情したメスがいれば交尾を行う。妊娠期間は453 - 464日。出産間隔は平均20か月。出産時に幼獣は2メートルの高さから落下することになるが、長い体が弓状にしなることで落下の衝撃を和らげている。授乳期間は10か月。生後2週間で、植物質を食べるようになる。生後3か月以内の死亡率はセレンゲティ国立公園で50 %。生後1年以内の死亡率は、セレンゲティ国立公園で58 %。ナイロビ国立公園では、73 %とされる。幼獣同士で群れを形成する傾向があり、メスは授乳期間を過ぎるとそのまま産まれた群れに合流し、オスは若獣のみで群れを形成し生後3 - 4年で産まれ育った行動圏から移動する。オスは生後42か月で性成熟するが、繁殖に参加するのは生後8年以降となる。寿命は25年。

キリンは時おり小鳥などの小動物を食べることもあるという。『キリン ぼくはおちゃめなちびっ子キリン』によると、多摩動物公園のキリンたちがトンカツや鳩を食べるので、高タンパクの飼料に切り替えると、めったに肉食しなくなったという。同書には、当時話題をまいた鳩をくわえた写真や、鳩の背後で舌を伸ばす写真が掲載されている。

Felicia Mitsuki

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ユーラシア大陸、イギリス、日本、モロッコ

体長6.3-8.2cm。尾長2.8-4.5cm。下唇の裸出板は2つに分かれる。鼻葉を菊の花に例えたことが和名の由来とされる。

夜行性で、昼間は洞窟や民家等で休む。繁殖期を除いて雌雄別々の群れを形成し生活する。冬季になると洞窟等で冬眠する。

食性は動物食で、コガネムシ・カゲロウなどの昆虫類を食べる。森林等を低速で飛行しながら獲物を捕食し、時には樹上や地表にいる獲物も捕食する。

繁殖形態は胎生。1回に1頭の幼獣を産む。母親は、幼獣が口で擬乳頭を咥え後肢で母親に抱きついた状態のまま飛翔することが多い。メスは多くの個体が生後3年で性成熟する。20年以上生きた例もある。

Yachiyo Nanami

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種小名novaeangliaeは「ニューイングランドの」の意だが、模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は不明。

北半球の繁殖地はコスタリカ沿岸・日本沿岸(小笠原諸島・南西諸島)・メキシコ沿岸・ハワイ諸島などがある。オレゴン州沿岸部やハワイ諸島で繁殖する個体群は、アラスカ湾や北アメリカ大陸沿岸部で採食を行う。カリブ海で繁殖する個体群は、北アメリカ大陸ノルウェーグリーンランド沿岸部で採食を行う。 日本で繁殖する個体群は、主にアリューシャン列島・オホーツク海カムチャッカ半島沿岸部で採食を行っていると考えられている。南半球ではオーストラリア・タヒチ・トンガ・アフリカ大陸・南アメリカ大陸の沿岸部で繁殖し、南極海の氷縁周辺で採食を行う。

南極周辺の個体に関しては、IWCによる調査に加え、日本による調査捕鯨が行われている南氷洋の東経35度-西経145度の区域で調査捕鯨に付随して目視調査が行われている。この区域には東経70-130度の区域(IV区)を中心とするD系群と東経130度-西経170度の区域(V区)を中心とするE系群の2つの系群が確認されている。尚、前述の回遊する習性から、南極周辺の個体は繁殖時期には赤道近くのオーストラリアなどへ移動している。

南極周辺のザトウクジラはかつては10万頭生息していたが、保護された時期には3000頭に減少したとされる。

全長オス13.4メートル、メス13.7メートル。最大全長18メートル。胸鰭は非常に大型。属名Megapteraは古代ギリシャ語で「巨大な翼」の意で、胸鰭に由来する。尾鰭後縁には鋸歯状の切れ込みが入る。全身が黒い個体や、腹面は白い個体もいるなど個体変異が大きい。上顎の背面と下顎の側面に白い瘤状の隆起があり、隆起の頂部には感覚毛が生える。尾鰭下面の斑紋は、個体識別に用いられる。


標準的な個体では体長11 - 16m、体重30tほどだが、大きなものは20m、60tにもなる大型のクジラである。全長の3分の1に達する長く大きな胸ビレと上下の顎にあるフジツボに覆われた瘤状の隆起が特徴の一つで、他のナガスクジラ科のクジラとは外見がずいぶん異なる。吻端から噴気孔にかけては僅かな隆起線が存在する。背びれは低い三角形、また尾びれにかけて低い隆起が存在する。喉の畝は12 - 36本で、幅広い。背面は黒 - 青黒で、腹部に白い斑。胸びれの先端も白くなる。鯨髭は黒であるが、時折白い個体も存在する。25km/hで泳ぐ。身長が小さい時期は5分、身長が大きくなれば45分息を止めて泳ぐ事ができる。

和名の由来はその姿(背ビレと背中の瘤等)が琵琶を担いだ座頭に似ているためと言われる。英語では背中の瘤からhumpback whale(せむしの鯨)と呼ばれる。学名のMegapteraは『大きな(=Mega)翼(=Ptera)』という意味で、これは巨大な胸ビレから命名されている。

水面に向かって跳躍する行動(ブリーチング)を行うことがあり、寄生虫を落とすため・コミュニケーションのためという説もあるが何のために行うかは不明とされる。

南半球では主にオキアミ類を食べる。獲物を捕食する際に気泡を用いることもあり(バブルフィーディング)、尾鰭を水面を叩きつけたり(インサイド・ループ)噴気孔から息を排出して気泡を発生させる。噴気孔から息を排出する方法では直径1 - 2メートル程度の小規模な気泡(気泡柱)で獲物の群れを取り囲んだり(気泡網)、確認事例が少ないものの一気に息を排出することで大規模な気泡(気泡雲)を発生させて獲物を下から水面に押し上げたり密集させてから捕食することがある。複数の個体が協力して、バブルフィーディングを行うこともある。


ザトウクジラは地域毎に集団を形成している。集団でまとまって移動し、集団間では交流がほとんどない。 北半球にも南半球にも存在する。夏は極の近くで主に捕食をし、冬は赤道までは行かないが(北半球ならハワイや沖縄・小笠原あたりの)温かい海域まで移動し出産・繁殖・子育てをし、また春になるに連れ極の方に移動するという回遊生活を送っている。

繁殖の時期は、オスによるメスの獲得権争い・テリトリー争いの為行動が激しくなる。メイティングと呼ばれている。上述のブリーチングもオスが自分をアピールする為多く見られる。オス同士を煽ってメスが行う事もある。(子供も生きていく上で必要な技術なので母親が見せ子供も練習する。その他、ペックスラップ(胸鰭で水面を打つ)、テールスラップ(尾鰭で水面を打つ)、ヘッドスラップ(頭で水面を打つ)、ペダングルスラップ(尾鰭の横飛び上げ)、スパイホップ(水中から頭を出し水上の状況を観る)など様々な行動をする。

攻撃的な個体は、長い胸びれで獲物を叩き殺す事もあるという。

なお、オキアミが対象であるときは刺激を与えると密集する習性を利用し、尾びれでオキアミの水面上に水をかけ、集まったところを捕食する。

ザトウクジラは歌を歌うクジラとしても知られている。他のクジラも求愛などの際に声を出すことはあるがザトウクジラの歌は他のクジラと全く異なる。歌は1曲数分から30分以上続くが、何曲も繰り返して歌う。最長で20時間程の繰り返しが観測されている。歌の構造はよく研究されており、「歌」はいくつかの「旋律」の組み合わせから成り、ひとつの旋律は「句」の繰り返しであり、ひとつの句はいくつかの単位を並べたものからなる。このため、ザトウクジラの歌は、人類以外の動物による階層構造の利用の例として議論になっている。歌は地域毎にみると、同時期のものはクジラ毎の差異はわずかでしかないが、時とともにどんどんと変化してゆく。また、繁殖する地域によって歌い方にも特徴があり、他の地域のザトウクジラには歌が通じない。なお、この歌はボイジャー1号、2号に積み込まれた地球外知的生命体宛てのレコードにも録音されている。