Masara Kagami

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形態
シマウマは概して草を食す植物食である。シマウマの外見的特徴は、毛の黒地に白の縞模様に加え、大きな耳、先端がふさ状になった尾など、その姿は野生のロバとよく似ており、鳴き声もロバに近い。ゆえに「縞模様のロバ」と呼ぶ言語もある。

シマウマの縞模様の効果は、捕食者が狩りの獲物とする個体を識別しにくくすることといわれてきた。これは、霊長類以外の哺乳類は色の識別能力が低いことと関連している。つまり、シマウマの白黒の模様は、霊長類以外の哺乳類が遠くから見た場合には草原の模様に埋もれ判別しにくいとされる。また、縞模様は身体の部位ごとに向きが異なり、群れをなすと各個体の縞模様が混ざって視覚的に同化してしまう。しかしMelinらの研究により、天敵の大型肉食獣は人間ほど縞の認識ができておらず、このため同じところに暮らす他種の植物食動物の単一の色の被毛に対して、縞模様が特に天敵を混乱させることに優位ではないということが判明した。他にも説があり、日よけや草食動物のため群れている方が被害が少なく、仲間同士で群れを見つけるのに役立っているとも言われている。

シマウマなど縞模様を持つ生物は、体表面で温度差を形成して微細な空気の流れを生じさせ体温調節に役立てているとする研究がある。 しかしNHKダーウィンが来た! 〜生きもの新伝説〜の2017年(平成29年)10月1日放送で、独自にこの説の真偽を実際の生息環境で検証したところ、黒縞の部分は温度が大きく上がり、白縞の部分も黒縞よりは低いが温度が上昇し、低下を見せたのは温度差が生む風でなく自然の風が吹いたときだけということが判明した。

2014年には、カリフォルニア大学デービス校のティム・カロ(Tim Caro)博士らの研究チームが、シマウマの縞模様は、吸血性のハエの仲間が媒介する伝染病から身を守るためである可能性が高いとの研究成果を発表した。 カロらの研究チームは、ウマ科の動物から吸血し、その際に睡眠病を媒介するツェツェバエなどの吸血性ハエの仲間とシマウマの生息域は地理的に重複し、またシマウマの体毛は極端に短く吸血が容易であるにもかかわらず、ツェツェバエの体内からシマウマの血液がほとんど検出されないこと、ツェツェバエは色彩が均一な面を好んで着地しシマウマのような模様のある面は避ける傾向にあることが実験により確認されたこと等により、吸血性ハエの被害からの防御と縞模様との関係は「きわめて高い」と結論づけた。

生態
ヌー、トムソンガゼル、トピなどのレイヨウ類、キリン、ダチョウなどと混群をなすことがある。

天敵はライオン、ブチハイエナリカオンナイルワニである。

シマウマは加齢に伴い気性が荒くなる。また人間になつくことはほとんど無く、騎乗や運搬用に馴致することが困難である。アフリカでは輸入した馬に病気が多発するため、19世紀からヨーロッパ人による現地のシマウマの家畜化がたびたび試みられたが、成功した例は少ない。

家畜化

シマウマを家畜化しようとする試みは、いくつかあった。特に、ヨーロッパ人がアフリカを植民地化していた頃、ヨーロッパ人の持ち込んだウマは、ツェツェバエに刺されて眠り病にかかることが多く、使い物にならなかった。そのため、眠り病にほとんどかからないシマウマが注目されたのである。

しかし、ごく一部に家畜化できた個体はいたものの、ほとんどが失敗した。シマウマは気性が荒く、どうやっても人に懐かなかったのである。この荒い気性を持つようになった理由として「アフリカでは古くからシマウマは食料として狩りの対象であったため、シマウマが人に対して強い警戒心を持った」あるいは「アフリカではライオンやハイエナなどの強力な肉食獣が多く、身を守るために攻撃的な性質を獲得した」との説もあるが、はっきりしない。

また、シマウマの体は、ウマと比べて小柄で、さらに背の骨格も貧弱なため、人が乗ったり、重い荷物を運ばせたりするのは難しい。このため、家畜化できたとしても、ウマと比べて利点が少ない。

時代が進み、ウマすらも自動車に取って代わる時代が訪れると、シマウマを家畜化する試みは、一部の研究者を除いて、試されなくなった。