Mami Tomoe

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雄の個体では体長(頭胴長)2.5m(長さの比較資料:1 E0 m)、体重300kgにも達する。しかし近年では、生息地における獲物の不足により痩せた個体が多く見られ、現状での野生個体の体格面ではベンガルトラの方が大型と指摘もされることも多い。飼育個体は野生個体よりも大きくなる傾向があり、中には体重450kgを超える個体もいる。ベンガルトラに比べて体長は長いが、体高ではベンガルトラより低くなる傾向が強い。

極めて寒冷な地域、シベリアのタイガ (針葉樹林) 等を主な生息域としていることから、他の亜種に比して深く長い体毛をそなえている。冬毛は夏毛の3倍以上の長さになる。

昼夜行性で、獲物の動きが低下する夜間に盛んに活動する場合がある。

主にイノシシ、アカシカノロジカ、ジャコウジカ、ヘラジカ、ツキノワグマ、ヒグマを捕食する。狩りは待ち伏せ型で、背丈の高い草や、低木や灌木のような場所に身を潜めて獲物が通りかかるのを待ち、獲物が間合いに近付いた際に襲いかかる。狩りの成功率は高くはなく、20%以下だといわれる。ヒグマも捕食対象となるが、仕留め損なうと深傷を負ったり、返って殺される恐れもあるので、主食であるシカ類に比べれば、襲う事は少ない。キジ科や、カモ科などの大型鳥類を狙うこともある。

夏場は水辺を好み、そこで水浴びや泳いで体温を下げたり、寄生虫や吸血昆虫から身を守る。冬場は雪と林の中に紛れて獲物を待ち伏せる。メスは自分の夫となるオスの隣接する縄張り部分を住処とし、オスは単独生活で付かず離れずで妻と子供を守り、子育てはもっぱらメスだけが行う。オスは自分の子供には寛容だが、他の個体や、その子供には容赦なく攻撃し、殺してしまう事もある。これはメスにも度々起こるが、メスは体格差からオスとの争いは避ける事が多い。

子供が成長して独り立ちするのに約2年かかる。子離れはベンガルトラと同様にメスの方が早い。成獣は人間以外に天敵は殆どいないが、獲物を競合する関係では、タイリクオオカミアムールヒョウがいる。飼育下での寿命は、約15〜20年。

主な生息域は、ロシアと中国東北部の国境を流れるアムール川ウスリー川アムール川の支流)周辺のタイガ (針葉樹林) である。また、北朝鮮での生息も確認されている。北朝鮮での生息状況の詳細は不明だが、白頭山周辺が本種の生息地域として紹介されることが多い。

生息の現状
近年、アムールトラの個体数は500頭程度にまで落ち込んでいると推測され絶滅が危惧されている。一時期は自然破壊のために絶滅寸前まで追い込まれていたものの、冷戦終結後にアメリカを中心とした西側の動物保護団体による保護活動が進み生息環境も改善されつつあるため、徐々にではあるが個体数は回復傾向にある。しかし、今度は逆にアムールトラの生息拡大が、アムールヒョウの生息を脅かすという事態も起きており、新たな課題となっている。

絶滅の危機に瀕するアムールトラ

アムールトラ1頭あたり1,000平方キロ(東京都の面積の半分)の森林が必要だとされるが、沿海地方では森林伐採が進みタイガの面積が30%も減少するなど、その生息地が脅かされている。また、トラの骨などが高級酒の原料として高値で取引されているため、密猟も数多い。これらの原因で個体数は激減し、国際自然保護連合が発表しているレッドリストでも絶滅危惧種に指定され、対策が必要と指摘されている。ウラジオストク郊外のラズドリノエ (沿海州)では、地元住民がボランティアで、親と死別してさまよう幼いアムールトラを保護飼育し、野生復帰を試みているものの、現状では厳しくサーカスなどに送られる個体も多い。

飼育の現状

日本では現在24の動物園でアムールトラが飼育されており、繁殖にも力を入れている。